HOME > 【悩み別】良い物件、悪い物件のライン引きはどこ?
良い物件・悪い物件のライン引き
近年、整骨院・接骨院・鍼灸院の増加傾向は右肩上がりの一方で、主要の駅近辺では、数メートル先、更には数軒隣や向かいに同じ医院が開業されているという、物件選定には非常に厳しい状況です。
近年、医療機関では下記のような診療圏調査を依頼し、開業するDr.が増えております。
特に歯科医院では、競合数がずば抜けて多いため、開業地が中々見つからず、3年も5年もかけて探される先生も少なくはないのです。今後、整骨院 接骨院 鍼灸院などもこのような診療圏調査を使用した開業をせざるを得なくなるかもしれません。
例えば、都内で「整骨委院」を1㎞で検索(google map参照)すると、このような分布になります。
赤い丸が全て整骨院です。いかに、密集しているのかが伺えます。
中には隣合わせになっているところもありました。
いい物件とは、家賃や坪数など条件に見合う事が大前提だとは思いますが、物件要素は下記の項目ではないでしょうか。
○看板が目立つ(整骨院があると通行人が認識しやすい)
○車からも目にとまる
○駐輪場スペースが確保できる
○駐車場がある
周辺の立地要素は
○人口が多い
○高所得世帯が多い
○人通りが多い
○スーパー等、商業施設(人の集まる施設)が近くにある
○他科目の医療施設などがある
○美容室などお互い連携(ショップカード等の置き合い)がとれる施設がある
などがあげられます。
しかし、みんなが「良い」と思う物件ですが、空いているでしょうか・・・
「良いな」と思う場所には、既に同業種の医院がある、物件を探している先生方はそんな経験があるのではないでしょうか?
ご参考までに物件についてまとめてみましたので、ご覧頂ければと思います。
診療圏調査について簡単にご説明します。
診療圏とは、来院患者が見込める地域の事を言います。
診療圏調査はどのように行われるかというと、専用のソフトがあり、まず開業予定地もしくは自院の場所を住所で設定します。ここを中心とし、来院手段によって様々な診療圏を設定することができます。
来院手段設定は、半径0.5㎞などの距離・自動車走行時間やドーナツ型などの自動設定や手動でも設定が可能です。
そこから、設定エリアを国勢調査や全国約83,000件の病院・診療所のデータベースを活用し分析します。
基本は、半径0.5㎞&1㎞の円に設定します。
しかし、診療圏は半径○○kmや自動車○○分圏、自転車・徒歩圏など多彩な設定が可能です。
徒歩・自転車での来院患者を対象とする場合、開業医の商圏エリアは半径1kmです。
なぜかというと、1km以上は競合数が増えるばかりで、またエリア外からの患者さんは見込みが薄いということから、診療圏調査などでは0.5kmと1kmを出し、開業時に物件調査に活かされています。
その診療圏調査データでは、1km圏内でも見込み患者数が3人などと出るエリアもあります。
それでもそのエリアに開業を決められる先生は沢山います。
なぜなら、見込み患者数は、あくまでもデータだからなのです。
まず、国勢調査は5年ごとに行われており、現在は平成22年度のデータを使用されています。
しかし、ソフトはすぐにバージョンアップするかというと、そうではないのです。
ですので、6~7年前のデータが使用されているというケースも多いのです。
データベースの中に受療率という項目があり、その受療率から推計来院者数を計算しています。
こんなにたくさんの整骨院 鍼灸院が開業していても実際は、整骨院 鍼灸院ってなにをするところなのか知らないという方は意外とたくさんいらっしゃいます。
ですので、広告宣伝で「整骨院ではこんなこともできますよ!」「こんなことで困っていたら相談してください」とPRすると、整骨院に対しての認知度は高まり、受療率も変動していきます。
この様に、診療調査データは目安でしかありません。
実際に、現地に行き通行人の様子を朝・昼・晩とリサーチし、オリジナリティ・専門性など理想とする医院が商圏内にないかどうか、また、提携機関などを考慮し、最終的にそこで開業するかどうかを決定します。
郊外など車での来院患者対象の場合は、運転時間10分エリアが商圏エリアと設定することが多いのです。
この状況の中、100点満点の開業物件は無いに等しいのです。
では、どうするのか?何年もかけて待つのか・・
待つのも1つの選択ですが、すこし考え方を変えてみましょう!
いかに、その物件を100点にするのかが大切
70点の物件を例えば、
- 自分の得意分野で専門性を出し商圏外からも集患
- 看板プランニング
- 内装デザイン
- スタッフ
- ホームページなどの広告宣伝
- 提携機関
などで補い、いかに100点にできるのかを考えて下さい。
それでも、100点にはならない!と思う時は、他の開業物件候補を待つ方が良いかもしれません。
しかし、物件だけではどうにもなりません。
患者さんが来てくれた後は、しっかりリピートに繋がるよう・口コミに繋がるように院内でのサービスと個へのサービスをしっかりと行いましょう!
診療圏調査分析は役に立たないのか?と不信に思われた方もいらっしゃると思いますが、全く役に立たないというわけではありません。
まず、人口総数や世代別人口密度ですが、もちろん引っ越しや出産などで変化はありますが、数値自体はそこまで大きく変動はありません。
そして、診療圏調査のデータの中には、昼夜間人口・人口特性・世帯年収・借家世帯内訳などの項目も、変化はあってもデータががらりと変わっているということもないそうです。
(但し、大型商業施設のオープンなどで、昼夜間人口が変動する場合を除きます。)
ですので、上記については非常に役立つと言えるのではないでしょうか?
役立てる方法としては、
まず、どの様な強みをもって医院を運営するのかを決める場合、その地域に見合った強みで売らなければなりません。
例えば、院内をスタイリッシュなデザインで、機能性よりもおしゃれ感を出したい!と考えていても、
高齢者が多く、若い世代があまりいない地域では、患者満足度にはつながりません。高齢者が多い地域で開業される場合は、デザイン性よりも機能性を重視した方がいいですよね。
開業立候補地域からどこにするか選択する場合、自分で調べるには時間も限界もあります。
そんな際、診療圏調査分析データを使うことで開業候補地も絞れてきます。
もし診療圏調査を活用される際は、効果的にデータを活用するところと、戦略でクリアしないといけないところを見極めて、活用して頂くことをお勧めします。
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